絵日記のイラストは素材ではありません。

2010年6月7日(月)
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ペルー旅行記 2010年4月18日(日)<3日目>

朝3時頃に起床し、4時ちょっと前にロビーへ。

相方は朝にお風呂に入ったのだが、カランからシャワーへの切り替えが出来なくて、 苦労して入ったらしい。 しかしながら、相方は旅先でのお風呂運がない。 私は普通に先に入ったのに、相方が入ろうとするとシャワーホースが壊れたとか、 カランからシャワーに切り替わらないとか、お湯が出ないとか、 なかなかハプニングに見舞われる。

ロビーに付くと、もう朝食のビュッフェが開いていた。

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ベルボーイさんらしき人に、「スーツケースをロビーに置いて食べて来ていいよ」と言われる。 確かにこのホテルは怖そうな顔をした警備の人が 入り口付近にじーっと立っているので安全なのかもしれない。

相方が少し食べてこようと言うけれど、 あと数分で待ち合わせ時間になるし、 荷物をここに置いて行くなんて不安だし、 持って行っても他の人の邪魔になるだろうから、 私はここで待ってるから行きたいなら一人で勝手に行きなさい。 待ち合わせ時間に後5分ぐらいしかないから行くならさっさと行きなさい。 相方だけがビュッフェに行くことに。

相方が容器に入れて持ってきてくれたので、 ナスカに向かう車内で食べることにした。 パンとジャム、チーズとハムが入っていた。

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今度は「ジュースだけでも飲んできたら?」と言う。 嫌だよ、もう待ち合わせ時間だよ。 私より時間にしっかりしてるハズの君がどうした? もうすっかり頭が南米的時間感覚になってしまったのか?

片言の日本語が喋れるジミーさんという運転手さんと早朝4時にリマからナスカに向かう。 当初の予定では、今日はナスカのホテルからスタートで、 ナスカのミニ市内観光もセットで墓地跡なども見れるバスツアーのはずだったのだが、 飛行機が遅れた為に個人運転手による地上絵遊覧飛行のみに変更した。

途中で何度かガソリンスタンドで給油したり、トイレに行ったりしながら、 ナスカに向けて6時間のドライブ。

ガイドブックだったかネットだったかで、 ペルーのトイレは便座のない洋式トイレって書いてあって、 どういうこと?と不思議に思っていたけど、 本当にその通りのトイレだった。 ホテルや空港は普通の洋式トイレ。

トイレには鍵が掛かってるので、 運転手さんがお店の人に借りてくれた鍵でドアを開けて入る。

砂漠なんだなぁ。エジプトみたいな家があるなぁ。窓の柵が凄いなぁ。 日系の大統領の誕生した国なんだなぁ。大統領選が近いんだなぁ。 そんなことを思いながら車窓から撮影。

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10時頃にナスカ到着。

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ナスカ空港に着いて受付を済ませる。複数の会社の受付カウンターが並んでいる。

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空港は色々なところに地上絵のデザインが施されていた。 歩道の線にも地上絵の刻印。手前はサルの地上絵のデザイン。

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フライトまで丁度30分ぐらいらしく、 酔い止めが効くのが飲んでから30分がベストらしいので、 薬を飲んでお土産を買いながらフライトを待つ。 そこまで酔うわけではないけれど、 ぐねぐねの山道などではちょっと気持ち悪くなるので気休めに。

ナスカ空港のお土産屋さんがペルーのお土産屋さんの中で最も買いやすかったように思う。 ホストカードも最安値だった。 ただ、大抵のお土産屋さんが屋外にポストカードを置いているので、 色褪せが気になるのだけれど。 何より良かったのは最もジャパニーズイングリッシュの通じるお土産屋さんであった点だ。

相方が気に入ったTシャツがあり、「この柄のSサイズが欲しい」と言うと、 「Sじゃ小さすぎるからMがいいよ」とお土産屋さん。 Sサイズがないらしい。 お土産屋さんに相方が捕まっているので、 この柄のSサイズはないかと周りのお店やさんに聞いて回る。 「ドゥー ユー ハブ セイム ピクチャー スモール サイズ」 これで通じるから恐ろしい。

ペルーでは、どこの観光地に行っても、 並んでいるお土産屋さんが全く同じような商品を取り扱っている。 どのお店の売上げがいいかは運じゃないかとさえ思う。 探していたTシャツもナスカ空港の小さなお土産屋さん4〜5軒全店で取り扱っていたので、 サイズがないか聞いて回れた。

Sサイズを発見したので購入。 他の柄も気に入って、「2枚とも買おうかな」と相方。 柄が違うと言えども、全く同じ色、同じようなデザインのTシャツ…。 色違いにしなよと言っても「この色が好きなんだよ」とのこと。 あまりにも同じようなTシャツなので 2枚買うのもどうなのよ?と思い、 せめて値引きしてくれないかしら?と、値引き交渉は大の苦手なのだが、ダメもとで言ってみた言葉が「ツー バイ ハゥマッチ」。 なんて酷い英語力。 値下げしてくれたので2枚購入決定。

いやー、こんな日本語英語が通じるペルー大好きだ。

ペルーに着いた時から感じていたが、 アメリカでは全く通じない日本語英語が驚くほど通じる。 日本人特有の英語の発音。 アメリカでは顔をしかめられたり、お腹抱えて笑われたりする、 私と相方の英語が通じるのだ。

相方も昨日ホテルのルームサービスを注文した電話の後に、 「ボク、この国だと英語喋れる!」と大喜びしていた。 電話は身振り手振りが見えない分、対面よりも通じにくい。 アメリカで何度苦労したことか。相方が。

英語の中でも特にスペイン語圏の人達の英語は日本人の英語とは全く違うので、 英会話教室に通っていた時に凄く大変だった。 バースデーと何度言っても、「バスケットボール?」と繰り返され、 お腹の膨らんだ女の人を書いて、矢印を書いて、赤ん坊を書いて、プレゼントを書いて、 どうにかやっと誕生日だと伝わった時には「それじゃ分からないよ、tomo!」と笑われたものだ。

だからスペイン語圏の人の英語なんて分からないも同然だと覚悟してたのに、 何この素晴らしいまでの伝わり方! 同じスペイン語圏でもだいぶ違いがあるらしい。

観光客相手を生業にしてる人達は、 日本人特有の英語発音を聞き取る勉強をし、 日本人には日本人でも簡単に分かる発音で話しているのかとさえ思いたくなる。 アメリカでは貝のように口を閉ざしている私が、 ポツリポツリと英語で話し始めた。

お土産を堪能して、フライトの時間が来た。

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操縦士さんと副操縦士さんと私達2人を乗せて遂に小型セスナは飛び立つ。 私達の命を今、この2人が握っている。

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ナスカの地上絵は天候や時刻で見え方に違いが出るらしい。 ペルーに行くことが決まってから旅行者のブログを見たが、 『ナスカの地上絵はあまりはっきりとは見えない』というのが粗方の意見のようだった。 そんなものなのだろうと期待しないで乗ったのだが、 意外にも線がはっきり見える。 天候や時刻が良かったのか、 期待していなかったから良く見えたのか、 原因は分からないけれど、 高所恐怖症の恐怖と戦いながら見る価値はあった。

機体の外壁の金属の部分と、内側のクッションの部分との間に裂け目が出来ていた。 機体が古いからなのか、怖さのあまり掴む場所としてそこを選んだ人が多いのか…。 他に心の支えになる掴めそうな場所もなかったので、私もその亀裂を汗ばむ手で終始掴んでいた。

出発時ヘッドフォンをしていた人が途中で隣の人にヘッドフォンを渡したので、 壊れて聞こえなくなったんじゃないかとハラハラ。 パイロットが「これがハチドリだ」「あれが犬だ」と教えてくれる。 いいから!君はいいから運転に集中して!隣の操縦してない副パイロットに聞くから!と心の中で叫ぶ。

よく見えるようにという配慮から、機体をぐぐーんと傾ける。 垂直よりも傾いたらどうなるの?ねぇ!どうなるの!?と頭を恐怖が駆け回る。 いや、もういい!十分!見た!見た!見たって! 「アイ キャン シー」「オーケー」を何度も繰り返した。

高所に慄きながら空撮した数々の写真をどうぞ。 肉眼で見えても写真だと見えにくい。

鯨の地上絵。下が顔。

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不等四辺形の地上絵。

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宇宙飛行士の地上絵。

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サルの地上絵。

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蜘蛛の地上絵。

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ハチドリの地上絵。

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手(右)と木(左)の地上絵とミラドールと呼ばれる観測所。 実際にははっきり見えた木の地上絵は写真からではほとんど分からない。 道路を走っているバスで大きさが比較できる。

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これ以外にも、コンドルやオウムや犬など色々な地上絵があった。

見終えてから帰る飛距離が辛かった。 意外に長いし揺れる。そして見終えてしまったので、何よりする事がない。 酔いそうな車の匂いという表現で伝わるだろうか?機内は空気が篭ってそんな匂いがするのも辛くて、 無駄にナスカの街を撮ったりして気を紛らわしてみる。

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向こうも分かっているらしく、離陸の直前まで窓を開けてくれるし、着陸後も早めに窓を開けてくれる。 出発するときはなかなか窓を閉めないものだから、窓がガタガタ揺れて逆にハラハラした。 高度の調節が手動なのは、他の人のブログで知っていたので驚かなかったので、それ程怖くなかった。 突然、足元の何かをパコパコと手で動かすのだから、知らないとかなり怖いかもしれない。

最後にパイロットさんが乗る時に渡された地上絵の地図にサインをしてくれた。

運転手さんに「どうだった?」と聞かれ、 綺麗に見えたと答えたが、 片言の日本語しか話せない人だから英語の方がいいかなと発した言葉が「クリーン!」。 …間違った。言わなきゃ良かった。クリアだよ、クリア。 やっぱり英語は苦手だ。

酔い止めを飲んでいたからそんなではなかったが、少し酔ったような気がする。 また車で長距離の移動なので、酔ってからではみんなに迷惑かけるし、 大事を取った方がいいかなと、少し休ませてもらうことにした。

後から知ったのだが、相方の方が酔っていたらしい。 飛行中に相方があくびをしていたので、 あくびをしてる場合じゃないよ! 高所恐怖症の私の分までしっかり見なさいよ!と、 手に汗握りながら言ったのだが、 その辺りからおかしかったらしい。 それならきちんと申告して欲しい。 休憩してる間、あぁ、みんなに迷惑かけてるなぁ。 でも、完全に酔ってからだと車での移動も困難になるから、余計に迷惑かける事になるしなぁ。 と、罪悪感と戦っていたというのに。

相方もやはり帰りが辛かったと言っていた。 私達はナスカから飛んだけど、他の街から飛ぶフライトもある。 他の街からだと帰路がもっと長いなんて想像するだけで酔いそうだ。絶対に無理だ。

ナスカの地上絵のセスナは墜落事故も頻繁に起きてるらしいので、会社選びは慎重に。 (在ペルー日本国大使館のサイトの『ナスカにおける小型飛行機墜落事故に関する注意喚起』はこちら

後にマチュピチュのガイドさんに、 ペルーに腰を据えて3年になるけど、 3年の間に知ってるだけで2回落ちていると言われた。

今度は先程空から見たミラドールに登って、地上近くから手と木の地上絵を見る。

高所恐怖症の私にこれに登れと言う。

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歩道橋でさえも真ん中を真下を向いて歩く私には、これがもう足がすくむことこの上ない。 階段の間からは地面が見晴らしよく見える。 かといって、下を見ないように歩けば踏み外すかもしれない。 視線に逃げ場が無い上に、 セスナと違って自分の足で登らないと前に進まない。 その挙句、下ではチケットを売ってるおじさんがノリノリで歌って、 リズムに合わせて階段をカンカン叩いていて振動が伝わってくる。 わざと怖がらせようとしてるのか!きゃー。 半分上ったところで、これはもうダメだと諦めた。

ミラドールの低い所から地上絵の線を大きく撮る事にした。

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相方が撮影した、ミラドールの上から見た地上絵。

手の地上絵。

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木の地上絵。

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地上絵はどんどん風化して、日に日に見え辛くなっているらしい。 面積が大きすぎて保護も間に合わないらしい。

今度はリマに向かう途中にあるイカという街へ。

途中で通ったトンネル。 トンネルとは山を掘ったものだと思い出させてくれる。

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イカのレストラン、RESTAURANTE LA ESTACIONでご飯を食べる。

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運転手さんがガイドブックのペルー料理の出ているところ見て、 このお店にある料理を教えてくれた。

注文したのは、酸味の効いた魚介類のマリネのような料理の「セビッチェ」(右)、 カレーのような味の「アヒ・デ・カジーナ」(左前)、 ヤギのお肉のカブリートと豆を混ぜたご飯をフライパンで焼いたタクタクの組み合わせ「カブリート・コン・タクタク」(左奥)。 写真のセビッチェは食べかけ。

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飲み物は相方お気に入りの「ピスコサワー」(右)、紫色のとうもろこしのジュース「チチャモラーダ」(左)。

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ペルーで食べたペルー料理の中で体調が良かったこともあって、最も美味しかったように思う。 ペルー料理は日本人の口に合うのかもしれない。

途中、ワカチナと呼ばれるリゾート地のオアシスで休憩。

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池は自然に湧き出している水。 砂漠が背後に見えるのに、池があって、草木が生い茂っている。 不思議な風景の真ん中に自分がいる。 オアシスなんて本やテレビでしか見たことないので、実際に行ってみると物語に入り込んだようで感動する。

移動中によく見かけた乗り物。タクシーらしい。

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黄色だけではなく、赤や青や緑など様々な色り、道路に彩を添えている。 オート三輪ってこんな感じだろうか。

リマに着く頃には暗くなっていた。

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街頭が煌々と輝いて綺麗だが、危険な地域ほど街頭の間隔が狭くなっていると思うと複雑な気分。

18時半頃に今日宿泊のホテル、Hotel San Agustin Exclusive到着。

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運転手さんに手伝ってもらいながらチェックインを済ませ、部屋に移動。 チェックインには毎回パスポートを提示する。

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もう外は暗いし、お腹もあまり減っていなかったので、 ルームサービスで軽く食べることにした。 物価の安い国なので、ホテルのルームサービスが気軽に頼める価格なのが嬉しい。

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ジャガイモにクリームやチーズや黄色い唐辛子などのソースをかけた「パパ・ア・ラ・ワンカイーナ」(手前)、 フルーツの盛り合わせ「フルーツカクテル」(左奥)、そして「ピスコサワー」(右奥)。 明日からついに標高の高いクスコに移動するので、 高山病予防の為にアルコールが飲めなくなる。 相方が飲み納めと、途中のガソリンスタンドで購入した「CRISTAL」というリマのビールも飲んだ。

高山病にならないといいなと思いながら就寝。

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